トレーニング内容別ウォームアップのやり方3ステップ

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今日のトレーニングは12kmペースランニング。仲間と一緒にいつも通りストレッチをして軽くジョギング。スタートラインに集まっていよいよスタート。

 

昨日のトレーニングは60分jog。今日と同じストレッチと軽いジョギングの後、集まって公園内をjog。

 

ウォームアップはメインのトレーニングやレースのための準備として行います。トレーニングやレースはその距離や内容によって必要とされる条件が異なります。酸素摂取量であったりエネルギー代謝であったり、、、ということは、トレーニングやレースの内容、その時のコンディションによってウォームアップのやり方が違うはずです。

トレーニング内容等々によってウォームアップのやり方にどのような違いがあるのか見ていきたいと思います。

 

1.ウォームアップの目的

前回の記事でも書きましたがウォームアップを行う目的は「体温の上昇」です。

 

筋肉内の血流量を増やして取り込んだ酸素やエネルギー源を使いやすくしたり、筋肉内で疲労物質の急激な蓄積を防いだり関節や筋肉の柔軟性を高めたりと、メインのトレーニングを無理なく始め、最後まで高いパフォーマンスを発揮するための準備を整えるのがウォームアップの役割です。

 

そして、筋肉内の血流量が増え身体の中で心身の準備のための様々な反応が起こることで体温が上昇するので、体温が上がったかどうか(=身体が温まっているかどうか)をウォームアップの指標としてとらえることができます。

 

2.ウォームアップの強度

ウォームアップというとメインのトレーニングやレースの前に軽く身体を動かしておくというイメージがあると思います。ウォーキングや体操などで軽く身体を動かすと体温が上昇し温まった感覚が得られますが、それだけでは不十分な場合があります。

その日のトレーニングがジョギングのような強度の低い内容ならば軽く身体を動かす程度でも必要なウォームアップ効果を得られる場合はありますが、タイムトライアル3kmのような強度の高い内容の時には軽く身体を動かす程度のウォームアップではそのトレーニングを始めるにに必要なウォームアップ効果(=体温の上昇)を得ることは難しくなります。

 

何故ならば、運動強度が低い場合と高い場合とでは、その運動を行うために必要な体温の上昇度が違うからです。運動中の体温は、呼吸数や心拍数が多くなるほど高くなります。

 

トレーニングの強度が高ければ一度にたくさんのエネルギーを使うことになるので、そのエネルギーを作るためにたくさんの酸素が必要になります。酸素は肺で取り込まれ血液によって運ばれてくるので、呼吸の量・回数、そして血流量(=心拍数)は大きく増えることになります。

呼吸数や心拍数は運動強度に比例して増えていきます。

 

また、強度の高いトレーニングを行う場合、筋肉や関節には大きな負荷がかかることになります。その負荷に耐えるために必要な柔軟性を高めて準備しておかなければいけません。

 

メインのトレーニング内容やレースの距離によってその時の運動強度は変わります。これから行う運動強度の強さによって、どの程度体温を上昇させておく必要があるのかは変わってくるのです。

 

次では具体的なウォームアップの進め方をみていきます。

 

3.ウォームアップの順番

ウォームアップは①一般的W-up→②専門的W-up→③技術的W-upの順番で行います。

 

①一般的W-up(ウォーキングやジョギングなど)

   マラソンのトレーニングの場合はウォーキングやジョグがこれにあたります。時間にすると10~15分ほど、じわっと汗をかくぐらいまでゆっくりとジョギングをしたり歩いたりすることで徐々に心拍数を上げ筋肉内の血流量を増やして、酸素やエネルギーを使いやすいように身体を慣らしていく段階です。

 

気温やその他の条件によって行う時間や方法はいろいろです。

 

例えば、真夏の日中のように暑い条件なら10分もウォーキングをすれば完了するでしょうし、真冬の早朝のように寒い条件下なら15分ジョギングしても足りないかもしれません。

ジョギングだと温まりすぎるのであればウォーキングに切り替えたり、なかなか温まらないのであれば保温性に優れたウェアを選ぶなどの工夫が必要です。

ここで大事なのは徐々に心拍数を上げ筋温を上げていくということです。やり過ぎても足らなくてもいけません。

 

②技術的W-up(ストレッチや動きづくりのドリル)

 一般的W-upで適切に心拍数と筋温を上げることができたらランニングで使われる筋肉や関節を動かすダイナミックストレッチ(=動的ストレッチ)やランニングの姿勢や動きを作るドリルを行います。もちろんここでスタティックストレッチ(=静的ストレッチ)をしても構いません。静的ストレッチはその後の運動パフォーマンスを低下させるという意見もありますが、10秒程度の短時間のストレッチであればほとんど影響はないようです。

ダイナミックストレッチやランニングドリルの動画を載せておくので参考にしてください。

 

 

 

③専門的W-up(100m~200m程度のストライド)

 最後にこれから行うメインのトレーニングやレースを想定して100~200m程度の距離を疾走する「ストライド」を行います。「流し」とも呼ばれる方法で、レースやトレーニングのリハーサルです。余計な力が入って動きが固く小さくならないようにリラックスして行うことが重要です。

100~200mを2~3本、1本1本の間隔は呼吸が回復するまで開けるようにしてください。

ここでたくさん走りすぎるとメインのトレーニングやレースに悪影響が出るので、やり過ぎないように注意が必要です。

 

 

4.トレーニング内容別ウォーミングアップの進め方

 実際にウォーミングアップの進め方の例を上げたいと思いますので、参考にしてください。トレーニング内容別といっても、このトレーニングの時にはこれをやらなければいけないと決まっているものではありません。重要なことはそのトレーニングの強度はどのくらいか、どういった目的で行うのかということを考えてウォームアップを実施することです。

 

①ジョギング

最大心拍数の60~70%程度で行うことが多く比較的低強度なトレーニングです。強度が低いためウォーミングアップをせずに走り出すランナーが多いですが、ストレッチやドリルをしっかりと行いランニングに必要な筋肉のスイッチを入れておくことが大切です。

 

1. まずはウォーキングで身体を軽く温めます。ジョギングでも構いません。少し汗がにじむ程度に体温を上げましょう。

  2. 次に、ストレッチです。股関節や膝、肩の関節を大きく使う動的ストレッチを各関節につき2~3種目ずつ行います。

  3. 最後に走る動作や姿勢を作るドリルを行います。下半身だけや腕振りだけなど偏りがないように全身バランスよく実施できるよう、種目選びをしてください。3~5種目程度でOKです。

 

②ペースランニング

 決まった強度で一定時間走り続けるトレーニングです。マラソンのトレーニングの場合、最大心拍数の70~80%程度の強度で行うことが多いと思います。主観的運動強度だときついと感じる程度のスピードです。

 

  1. まずはジョギングで体温を上げましょう。時間にすると10~15分程度が一般的に推奨されることが多いですが、上述したようにその時のコンディション等によって変わってきます。最大心拍数の70~80%という運動強度を考えると「汗がにじむ程度」よりもう少し体温を上げておきたいところです。主観的運動強度で少しきついと感じるところまで徐々にジョギングのペースを上げておきます。徐々にペースを上げるということが大切で、いきなり少しきついと感じる強度で走り出さないように気をつけましょう。

  2. 一度水分補給をはさんだら、動的ストレッチやドリルを行い動きや姿勢のチェックをしましょう。ジョギングの場合と同様、主に股、膝、肩関節の動的ストレッチを2~3種目と、姿勢&動きづくりのドリルを3~5種目です。

  3. そして最後にストライド(=流し)を2~3本行います。距離は100~200m程度で構いません。その距離を気持ちよく走りきれるぐらいの速度で走ってください。ハーフマラソンや10kmのレースの前なら、スタートのリハーサルとして400m程度の距離を実際のレースを走るスピードで走ってみるのもいいと思います。

③高強度インターバルトレーニング

 運動中の心拍数が最大心拍数の90%以上になることもある強度の高いトレーニングです。しっかりと心拍数や筋温を上げ、気持ちを集中させて望む必要があります。

  1. ジョギングでしっかりと体温を上げましょう。少しきついと感じる強度まで徐々にペースを上げます。

  2. 動的ストレッチやドリルを行いますが、走速度の高いトレーニングの場合はここでジャンプ系のドリルを取り入れてもいいと思います。ただし、ジャンプ系のドリルは着地の衝撃が大きいのでアスファルトなどのか対路面は避けて草地などの比較的柔らかい路面を選んで行うようにしてください。そして、必ず身体が十分に暖まってから行うようにしてください。

  3. 最後はストライド(=流し)ですが、メインのトレーニングでの走速度に近いスピードで走るようにしましょう。1本1本の間隔は呼吸が整うぐらいまで十分に開けるようしてください。ドリル→ストライドというようにドリルとストライドを組み合わせて行うのも効果的です。

 

 強度の高いトレーニングに合わせてしっかりと心拍数や筋温を上げておきたいところですが、やり過ぎには注意しましょう。ウォームアップはあくまでトレーニングやレースで十分にパフォーマンスを発揮するための準備です。ウォームアップで疲労してしまってメインのトレーニングをこなせなくなってしまっては本末転倒です。

④不整地ランニング

 クロスカントリーやトレイルランニングなど舗装されていない道を走る場合、舗装された道路を走るよりも強度は高くなります。と同時に、舗装された道路でのランニングではあまりかからない方向への負荷が各関節にかかってくることになるので、そういったことへ対しての準備運動も必要になります。

 

  1. ジョギングやウォーキングで汗をかくところまでしっかりと体温を上げましょう。

  2. 不整地のランニングでは舗装路でのランニング時に比べて、下半身や脊柱での横方向や捻れる動きが大きくなります。動的ストレッチやドリルでは横方向への動きも取り入れるようにしましょう。

  3. リハーサルとなるストライドでは無理にスピードを上げる必要はありません。不整地での身体の動きを一つ一つ確認するように丁寧に行いましょう。

 

5.まとめ

  一口にウォームアップと言っても、その後に行うレースやトレーニングの内容によって少しずつですがそのやり方に違いがあります。レース本番はもちろんのことトレーニングにおいても十分にパフォーマンスを発揮するということは大切なことです。準備不足のために十分なパフォーマンスが発揮できずにトレーニングを終えるということは、その効果もそれに応じたものになります。たかがウォームアップ、されどウォームアップ。準備は大切です。

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